うつ伏せをオススメしない理由 −乳がんとの関係−
こんにちは。
整体院 楽(Laku)の石川です。
うつ伏せで寝るのは良くないですか?
この質問から始まったブログですが、今回は小林真央さんの訃報ニュースを昨日見て、乳がんの予防に少しでもお役立てしたいと思い、急遽順番を変更して、うつ伏せと乳がんの関係について書いていきます。少しでも皆さまに伝われば幸いです。
乳がんの原因とは?
乳がんを招く要因として大きく関与しているといわれているのが、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)です。エストロゲンの過剰分泌、または長い間エストロゲンにさらされることで乳がんの発症リスクが上昇すると言われています。このエストロゲンが関与するものとして、下記の3つが挙げられます。
1.肥満
2.出産経験の有無(ない方が高い)
3.授乳経験の有無(ない方が高い)
参考:乳がんの3つの原因と3つの初期症状とは!?より
乳がんの発症には上記のような原因があると言われています。今ある情報ではエストロゲンが関わっているのは間違いなさそうですが、どうもそれだけではないように感じます。ここで肥満という観点から乳がんを考えた時、”肥満といえば欧米だろ”と単純に考え、欧米の乳がんの罹患率について調べてみました。
調べたところ乳がんの罹患率は日本人で20人に1人、欧米人で6〜7人に1人と3倍ほど高い罹患率です。
欧米は肥満の方が日本よりもはるかに多いので肥満が原因ということは関連がありそうです。
また、乳がん罹患率のピークは40〜50歳代だそうで、これは更年期や閉経などのホルモンバランスの変化によるものであると言われています。
とここまで調べてきて、小林真央さんの場合はあまり当てはまらない気がします。そこでいち整体師としての意見を述べさせていただきます。
うつ伏せで寝ることで胸が圧迫され、血液の循環が滞る
ヒトの身体は日々細胞分裂を繰り返しており、健康な人でもがん細胞は毎日できているそうです。がん細胞が毎日できていても、がんにならないのはNK細胞と言われる細胞が、がん細胞を撃退しているためだとか。そしてこのNK細胞、体温が高い方が活発に働きます。
皆さん体温をあげるためにはどうしたらいいかご存知ですか?血液の循環を良くすればいいのです。血液は体の隅々の細胞まで酸素や栄養を運び、二酸化炭素や老廃物を回収する働きをしています。さらに、体内でつくられた熱を全身に伝えることで体全体を温めています。
さて、うつ伏せで寝た時はどうでしょうか?すごく当たり前ですが、胸が圧迫されます。圧迫された箇所は血液の循環が滞ります。血液の循環が滞るということは冷えを招くということです。そして冷えた箇所のNK細胞の働きは弱っている。こんな想像ができますね。がん細胞は毎日できています。NK細胞の働きが弱い箇所はがん細胞が残っていくのではないか。単純ですがこう考えることもできます。
さらにうつ伏せで寝るということは顔をどちらかに向かないと息苦しくなります。そのため首だけだとつらいため、身体の向きも偏り、上から見た時、首や背中の背骨が曲がる形になってしまいます。
整体師だからこそ知ることができたのですが、背骨は各臓器、筋肉へと神経によって繋がっています。背骨の曲がった箇所と関係ある臓器、筋肉に痛みや不調、症状がでることがわかったのです。(参考:背骨と病気の関係)
欧米人にはうつぶせ寝が多い
ここで肥満を調べていると欧米の人たちはどんな寝方をしているのだろうと気になり調べてみました。どうやらうつ伏せで寝ている方が多いようです。
なぜ、うつ伏せ寝が多いか。それは赤ちゃんの頃まで遡ります。欧米では赤ちゃんはうつぶせだと熟睡するとか、頭の形がキレイになるの理由によってうつ伏せで寝かせる習慣があるようです。また、ベビーベッドが固めでうつ伏せに寝ても息苦しくないとのことです。日本のマットレスは柔らかいためうつ伏せで寝ると沈んでしまい息苦しくなるため仰向けで寝かせますね。
現在では欧米でも仰向け寝が推奨されていますが、頭の形がキレイになるため、うつ伏せ寝をさせる親が多いそうです。
肥満とうつ伏せで寝ること、この二つの要因が高い乳がんの罹患率に関係があるような気がします。
日本で流行ったうつ伏せ寝ブーム
うつぶせ寝は「頭の形がよくなる」「寝つきがよい」といった理由で、1980年代初め注目をあび、一代ブームになったことがあります。しかし、80年代後半に赤ちゃんの突然死(SIDS)と関係あるというオランダ、イギリスからの報告があり、92年アメリカですべての健康な赤ちゃんは、あおむけ寝にするよう学会誌に勧告が出され、94年には「あおむけ寝キャンペーン」が国を挙げて行われました。その結果、突然死の頻度が減少しました。
秋山こどもクリニック より一部引用
20代から30代の乳がんの発症率が近年増えているとのこと。偶然かもしれませんが、うつ伏せブームの世代と重なります。うつ伏せで寝ているならできるだけやめていただきたいです。
そして別のデータになってしまいますが、若い人の乳がんの特徴は肥満であることが乳がんの主な原因ではないことが挙げられます。参考:若年性乳がんの特徴について
ここで小林真央さんの年齢が34歳ということで、1983年生まれということで、もしかするとうつ伏せで寝るような習慣があったかもしれないですね。どのような寝方をしていたかまではわかりませんが……
まとめ
整体師としてやはり身体のバランスを整えることはとても大事だと考えています。うつ伏せで寝るということはどうしても偏った寝方になってしまうので、男性でもオススメしません。女性の場合は特に胸への圧迫が強いため、できれば今すぐにでもやめていただければと思います。
また、うつ伏せ寝に限らず、胸を圧迫するような姿勢、下着というのは血液の循環を滞らせてしまう原因になります。できれば圧迫しない時間を確保したりするなど工夫をしていただければと思います。
これはすぐできることです。あなたの身体を一番最初に守ってやれるのは自分なのです。
そして小林麻央さん。末筆ですが、お悔やみ申し上げます。